吸い玉・カッピングの株式会社医工

ガラスカップ

2012.12.17|医工製カップの特徴

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ここでは医工のガラスカップについてご説明致します。

医工のガラスカップは熱に強い硬質ガラスを、熟練したガラス職人の手によってひとつひとつ製作しています。

硬質ガラスは耐熱121度・加重限界121度のオートクレーブにかける事ができますので衛生的にお使いになれます。もちろん煮沸も可能です。

ガラスカップは非常に滑らかな肌触りが魅力です。古くから吸い玉・カッピングに携わっていらっしゃる先生方、またエステティシャンの先生に特に好んで使われています。

 

医工のガラスカップ

東京大学にほど近い本郷三丁目。そこに株式会社医工はあります。

本郷は場所柄、古くから多くの病院施設が隣接する地域であり、医療機器の街として栄えました。その伝統は今現在でも受け継がれ、多くの医療機器関連会社があります。

 

かつて医療用具といえばガラスを指す時代がありました。注射器・点滴瓶・etc.……プラスチック素材にその主役の座をとって変わられる以前、こういった医療用具の多くは熟練した専門のガラス職人の手作業によって精巧に作られて来たのです。

ガラス職人と聞きますと、多くの方は伝統工芸等に用いられる吹きガラスの技術を思い浮かべる事と存じますが、医療機器用ガラスは特殊な工法技術を持つ専門の職人が加工・製作を致します。

医工のガラスカップ製作中

医工のガラスカップ製作中

 

まだ本郷にも多くの医療機器用ガラス職人が出入りしていた頃、その技術を誇るようにガラスで作られた人体の精緻な肺をショウウインドウに並べていた店もあったと聞きます。現在では恐らく再現する事のできない、まさに失われつつある昭和の技術です。

 

医工のガラスカップはそういった失われつつある昭和の技術を今現在に伝える職人の手によって作られています。すでにこの技術を持つ職人は少なく、その為、大量生産には向きません。また、大量生産品とは違い、職人の手によるガラスには、その証として気泡が入り込んだり、わずかに器具の痕が残ったりする場合があります。

しかし、医工では見た目よりも実用を重視しています。それはプロの方が施術の現場で使う事が大前提だからです。

ガラスの質

医工の手動・電動ポンプ用ガラスカップは硬質ガラスによる、薄く軽く透明度の高いカップに仕上げています。この特徴は技術と手間とコストが必要なのですが、それには理由があるのです。

 

※この項では医工のポンプ用ガラスカップと外国製火缶用のガラスカップとの比較になります。日本国内で現在流通しているガラスカップは主にこの2種類となる事と、吸い玉・カッピングにおけるカップに求められる本質は同様だと考えられますので述べさせて頂きます。

 

伝統的に吸い玉・カッピングには火が使われて来ました。火による吸い玉・カッピングを火缶と呼ぶ事が多いようです。日本でも古くから伝統的吸い玉は火缶によるものでしたので、今日でも伝統的方法を好む先生や、中国で吸い玉を学んだ先生の中には施術に取り入れている方もいらっしゃるかと存じます。

また、古くから電動ポンプを使っていらっしゃる先生方は過去に火缶の勉強・習得をされている方も多いかと存じます。

 

この火缶に使用されるガラスカップで日本国内に流通しているものは、主に外国製が多いかと存じます。その中にはガラスが肉厚で重く、透明度が低いものがあります。

こういった特徴は一見すると丈夫で壊れにくそう、といった良い印象に感じる方もいらっしゃるようです。

しかしながらカップの重量は吸い玉・カッピングの施術に制限を与える可能性になり得ます。

これはポンプ式でも火缶でも同様です。

腹臥位、仰臥位での施術の場合、重いカップでもその重量が身体にかかる為、比較的はずれにくいのですが、側臥位、座位では吸着面が重力方向と直角になる事が多いため、ある程度の吸引圧がないとカップがはずれやすくなります。腹臥位、仰臥位でも身体の側面を吸引させたい場合は同様です。その為、極弱い吸引を先生方が求めたとしても、吸引圧の選択に制限が加わる事となるのです。また、なにより重いカップの場合、その自重によって特定部位での吸引自体が難しい場合もあります。

また、施術に向いた姿勢を求めても疾病等から特定の体勢を長く取ると痛みの出る方もいらっしゃいます。そのような場合も、上記の特徴から吸引圧の選択に制限が加わります。

ポンプ式の吸い玉・カッピングと違い、元々火缶による吸い玉・カッピングは吸引圧の微妙なコントロールが難しいのですが、更に施術の幅を狭める可能性となり得るのです。医工の手動・電動ポンプ用ガラスカップは薄く軽い事に加え、ポンプによる自在な吸引圧のコントロールが可能なので、施術の幅を広げ、その可能性を大いに高めます。

また、ガラスの透明度は施術箇所の微細な変化に対する目視による確認に影響を与えます。吸い玉・カッピングを行うと吸引中にカップ内が曇る事が多いので、透明度の低いカップは余計に見えづらいのです。

薄く透明なガラスの製作には技術とコストがかかる為、外国製の火缶用ガラスカップは上記のような特徴となっているものがあるのだと思われます。それに加え、これらのカップの多くは一般的な食器類と同様の材質、並ガラスにより製造されています。並ガラスは上記特徴よりも更に問題点があります。

それは温度変化に弱いという点です。
透明度が高いものであっても並ガラスならば同様です。

衛生管理が必要な現場で使われるガラスは熱膨張に強い硬質ガラスによって製造されています。これは感染症等を防ぐ為、熱による滅菌を行えるようにする為です。医工製ガラスカップも、もちろん硬質ガラスです。

医工製ガラスカップは硬質ガラスで製造されていますので121℃(加重限界121℃)のオートクレーブ滅菌が可能です。また、カップ上部の逆止弁を備えたキャップ部分も熱に強いシリコンゴムとポリカーボネート製となっており、カップから取り外す事なくオートクレーブに掛ける事ができます。

ガラスカップ以前に使われて来た竹製カップや木製のカップは比較的ガラスカップよりも軽いものも多いのですが、使われる塗料によっては耐熱性能が低くオートクレーブに不向きであったり、煮沸・洗浄を繰り返す事で清潔性能に劣化が起こる事があります。またなにより施術箇所が目視できないという弱点があります。歴史的に見ても、ガラスカップが主流となっていったのには理由があるのでしょう。

 

 

※硬質ガラスの”硬質”とは熱膨張に対して”硬質”という意味であり、物理的な衝撃に対して”硬質”という意味ではありません。通常のガラス同様落下等により破損します。